2006年11月17日

樒・榁/殊能将之

樒・榁


内容。
天狗を目撃したという宮司がいる荒廃した寺で、御神体の石斧が盗まれた。
問題の“天狗の斧”が発見されたのは完全な密室の中。
おびただしい数の武具を飾る旅館の部屋の扉を破ると、頭を割られた死体と脅迫状が。
悲運の天皇、崇徳院を巡る旅の果てに事件と出遭ったかの名探偵の推理は。
(「BOOK」データベースより)


講談社の「密室本」という企画で出た薄い本。
文庫の「鏡の中は日曜日」を買えば別々に買わずとも済んだのだな。。。w

平たく言えば「鏡の〜」の番外編というか、短い続編というか。
とにかくこれは順番に読まないといろんなことが半減してしまうと思う。


<以下ネタバレを含みます>
まぁ、これはこれでおもしろいとは思ったけど、
正直そこまで水城と石動を繋げなくても・・・と思ったり。

肝心な密室もちょっと残念な感じ^^;
こういう場合、誰かが犯人というのではなくて事故になるのかな?

石動がかかわった事件「榁」は論外。
過去と現在の差異と、小さな後日談程度。
おまけの話という感じ。

本当に「鏡の〜」の同時収録で十分な内容だったと思った。

<ネタバレここまで>


ここまでかの名探偵を引きずるのなら、きっと次作にも出てくるのだろう。
アマゾンであらすじを見たら、どうもその予想は当たっていたようだった。
こうなったら次作にもチャレンジw



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2006年11月15日

鏡の中は日曜日/殊能将之

鏡の中は日曜日


内容。
鎌倉に建つ梵貝荘は法螺貝を意味する歪な館。
主な魔王と呼ばれる異端の仏文学者。
一家の死が刻印された不穏な舞台で、深夜に招待客の弁護士が刺殺され、
現場となった異形の階段には一万円札がばらまかれていた。
眩暈と浮遊感に溢れ周到な仕掛けに満ちた世界に、アの名探偵が挑む。
隙なく完璧な本格ミステリ。
(「BOOK」データベースより)


以前「黒い仏」を読んで方向性がわからなくなっていた。
今回はしっかりと「本格ミステリ」と銘打ってはいたが恐る恐る読んでみた。

す・・・すごい・・・!!

私は好きです、この作品。
館シリーズを読破しているのでそういう意味でも楽しめたかも。
おもしろかったし、内容を更に深めるために再読もしましたw


<以下本作ネタバレ及び館シリーズのネタバレをかなり含みます>
全体的に館シリーズのパロディと言うかオマージュと言うかな雰囲気。
参考文献に、当時出ていた館シリーズが全て記載されていたことも頷ける。

館の見取り図、主な登場人物、第2章の「現在」「過去」という括りも
まるで館シリーズw
過去の探偵役の水城も、年齢や性格など島田潔を髣髴とさせる。
最後のひねりは殊能さん流だったように見受けたけど、
そういえば迷路館も・・・などと思ったり。
探せば館シリーズのトリックやら状況やらが酷似している事に気付く。

今回、石動が殺されるなどとセンセーショナルな出来事が起こる。
このシリーズは終わってしまう?
少し心配したけど、どうせ殺されたりはしないんだろうな、などと半信半疑だった。
なるほど、アルツハイマー目線で石動を殺したのね・・・w

にしてもそんなにアルツハイマーって多いのだろうか。
父親と息子が同じような時期にアルツになるなんて。
しかも梵貝荘の魔王の長男の奥さんが有希子って・・・w
全く同じ名前じゃないにしろ、こんな偶然はアリなのか、と思ったり^^;

騙されまいと思い怪しみながら読んではいたけど、
結局ミスリードのミスリードにまんまとハマってしまったw
やっぱり石動は「名探偵」というポジションなので彼の推理を一瞬でも信じてしまう。
それに「容疑者水城さん」「水城さんの奥さん」と言われれば
確かにあの女性が頭に浮かんでしまう。
この部分に来る頃には
最初の独白で「ユキ」と言っていたことなどキレイさっぱい忘れてしまっていたからなぁ。。。

こういった重厚な「館」が住みにくいので改築していた長男には
笑った反面、実際そうなんだろうと妙に納得した。
確かに生活するのには不便な建築が多い。
特に迷路館なんて、天災で崩壊しそうな時はどうしたらいいのだろう。
地下だから窓も無いしな^^;

にしても鮎井郁介の著作もかなり読んでみたいw

<ネタバレここまで>


普通に読んでもおもしろかったけど、再読したら更におもしろかった。
新しい発見が結構あったし。

先にも述べたけど、やっぱり館シリーズを読んでいるとより楽しめると思う。
もちろん単独でもおもしろいと思いますけど。
私は結構楽しめました^^




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2006年11月11日

占い師はお昼寝中/倉知淳

占い師はお昼寝中


内容。
渋谷のおんぼろビルにある「霊感占い所」には、今日も怪異な現象に悩むお客さんがやって来る。
彼らの相談に応えて占い師の口から飛び出すのは、三度狐に水溶霊と、珍奇な妖怪の名前ばかり。
それらは全部インチキだが、しかし彼の「ご託宣」はいつも見事に怪異の裏に隠された真実を突く。
霊感は無いが推理は鋭い辰寅叔父の、昼寝と謎解きの日常を描いた心優しき安楽椅子探偵連作集。
(「BOOKデータベースより)


サクサクと軽い感じで読めました。
内容も殺人など血生臭いものはなく、
日常のちょっとした(それでもお客さんにとっては重大な)謎ばかり。
時には薄ら寒いものを感じたり、時には心温まり。
全体的にさわやかで、読後もほっこりとした感じでした^^


<以下ネタバレを含みます>
【三度狐】
今回の依頼は不可解な失せもの事件。
確かにあの年代であの環境ではそういうことをしてしまうかも。
辰寅叔父さんの女の子に対するアフターサービスも心憎い。
その後の家庭の描写にほろりとしてしまった。

【水溶霊】
今回の依頼はポルターガイスト現象。
現象の真相は判明したけど、この話の本当の結末は不明。
賭けに出たのか出なかったのか、それも不明。
でも、こんな夫婦って案外多いかも、なんて思った。
そしてなんとなく薄ら寒い気がした。

【写りたがりの幽霊】
今回の依頼は心霊写真。
私も美衣子と同じく、こういう若者は苦手です^^;
でも大学にはこういうサークルがたくさんあるのは事実。。。
依頼人もしょぼかったけど、結末もしょぼかった印象w

【ゆきだるまのロンド】
今回の依頼はドッペルゲンガー。
私も、自分に関する気味の悪い現象が起こっていたら究明したくなってしまう。
しかし、究明してしまってはいけない秘密もある。
それが自分にとってのサプライズであるならなおのこと。
まぁ、サプライズだからこそ自分にはわからないことだらけで
究明したくなってしまうんだけどw
こんな夫婦、憧れます^^

【占い師は外出中】
今回の依頼は出張除霊。
しかも今回はタイトル通り辰寅叔父さんは外出中で美衣子が占い(?)をw
結末は微妙だったけど、落語的なオチがほほえましかった。

【壁抜け大入道】
今回の依頼は大入道。
この連作の中では一番大きな事件。
美衣子が聞き込みをしたりあの不精な辰寅叔父さんがわざわざ出かけたり。
二人の関係に亀裂が生じるも、ほろりとするオチで一件落着。

<ネタバレここまで>


倉知さんといえば「星降り山荘〜」か「猫丸先輩」シリーズが有名。
この連作小説も次作に続くような終わり方だったけど、次作を見ない・・・。
個人的には続いてほしい連作です。




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2006年11月09日

倒錯の帰結/折原一

倒錯の帰結


内容。
ノベルス界でも前代未聞、前後から読める本。
日本海の孤島で起こる連続密室殺人事件と、東京アパートの一室での不可解な監禁事件。
「首吊り島」「監禁者」の2つの物語を結ぶのは、封印された「倒錯の帰結」。
内容(「MARC」データベースより)


「倒錯〜」シリーズの完結編。
「首吊り島」のほうは、ノるまでスラスラとは進まず・・・
「監禁者」に移ってからはあっという間に読み終わった。

これは好みの問題だけど、
登場人物のホレたハレたで事件が動いていくのはなんとも思わない。
でも主人公や探偵役が恋におぼれて、相手の思うツボに動いたりするのは好きではない。
あんたたちくらいはしっかしりてよ!
と、お母さん目線で見てしまって落ち着かない^^;
まぁ、それで物語が動いていくんですけどね。。。

わかっているのに、やはり「やられたっ!」という結果に。
学習しているはずなのになぁ・・・^^;


<以下かなりなネタバレを含みます>ははぁ、なるほどねーーーー。。。
くるくる回るメビウスの輪。
エンドレスに続くのか、この物語は。

それにしても新見月代。
もっと早く気づいてもよかったはずだが、
すっかり雪代と花代にミスリードされてしまった。
まぁ、全体的に「獄門島」だったから雪月花がすんなり入ってきたしまったわけだが。

「獄門島」は卒論で使用した文献のひとつだったのでかなり読み込んだ。
だからこそ余計に騙された感がアップ^^;
少し悔しかったw

しかしこういう系の話はやはり難解。
私は読解力が無いので読んでいる最中何度も頭に「?」がさまよい続けた。

監禁者と首吊り島では時間的な差がある。
あとでミサ子も一年前と言っていた。
それは薄々気づいてはいたが、
結局ミサ子は真弓と名乗って山本を首吊り島に連れて行ったわけで。
じゃぁ真弓が山本を助けて首吊り島へ連れて行ったというのは
ミサ子が後々書き加えた真弓としての日記なのか?
結局、このアパートの界隈で何か事件が起こったと言うのは真弓のことなのか?

島田と真弓(ミサ子)との関係も計りかねる。
不倫と言っているけど
結局は真弓と付き合っていたのかミサ子と付き合っていたのか?

手紙と電話のやりとりも意味がわからない。
お互いがお互いに電話をしているが繋がらない。
ミサ子が、真弓の電話に職場からかけると繋がるが
自宅からかけると繋がらないと言う。
これはわかる。
職場から自宅(アパートの201号室)へかければ繋がりはするが
誰も出ない。
しかし自宅(アパートの201号室)から
真弓の部屋(アパートの201号室)へかけても話中になるはず。
でも真弓は?
あれが真弓の本当の日記なら
ミサ子はすでに百貨店を辞めていることになるな。
コンビニのバイトをしていたのは真弓なのか?
それともミサ子なのか?
いったいどうなっているのだ?

そして監禁者の月代と首吊り島の月代。
どう考えても同じ人物とは思えない容姿の変貌。
首吊り島でこっぴどく裏切られた腹いせに醜く描いたのか。
逆に、監禁者で見た事もない未知の人物「新見月代」に抱いた妄想か。
まぁ、とどのつまり結局どちらも創作で、
本当の作者は新津きよみということになるのだろうけど。。。

<ネタバレここまで>

ミステリを読んでここまで考えをめぐらすのもヤボなのだろうけど、
それでもスッキリしなくて・・・
あと3回くらい読めば理解できるかもしれないが^^;

にしても「倒錯の帰結」とはよく言ったもので倒錯しまくりな本だった。
現実と創作のハザマということにしたかったのだろうか。
そんな感じだった。



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2006年11月07日

黒い仏/殊能将之

黒い仏


内容。
九世紀の天台僧・円載にまつわる唐の秘宝探しと、
一つの指紋も残されていない部屋で発見された身元不明死体。
無関係に見える二つの事柄の接点とは?
日本シリーズに沸く福岡、その裏で跋扈する二つの力。
複雑怪奇な事件の解を、名探偵・石動戯作は、導き出せるのか?
賛否両論、前代未聞、超絶技巧の問題作。
内容(「BOOKデータベースより)


・・・う〜〜〜〜ん、そうきたか・・・
いえね、おもしろいかおもしろくないかって分け方だと
おもしろいんですけどね、どっちかというと。
しかし・・・たしかに賛否両論でしょうね・・・

そろそろ解決の件というところでびっくりしてしまった。
トリックというか、もうこうなってしまったら驚き以外の何物も出てこない。
そういうことなのね、殊能さん・・・


<以下ネタバレを含みます>
探偵石動の推理部分はまさにミステリたる部分。
あの推理どおりならそれはそれですごいと思う。
しかし、ミステリだと思わせておいて実はSF、という大きい括りでのオチなのかも。

私はもちろん「ミステリ」として読んでいた。
なので本当の解決部分に差しかかったとき、何が起こっているのかよくわからなかった。
読み進めていくうちにようやく合点がいったけど、釈然としなかったのは事実。
これでは何でもアリじゃんっ!!
密室も、指紋がないのも。。。

「ミステリ」という型にはめてしまうと納得はできないかもしれない。
型を取ったら、それはそれでアリなんじゃないかと思えた。
確かにおもしろいといえばおもしろかったし。

それにいきなりSFのジャンルで出してしまったら
それだけでネタバレっぽくなってしまうだろう。

<ネタバレここまで>


この「黒い仏」は新しい試みにチャレンジした、というふうにも取れる。
大きな意味で「やられた」と感じることはできた。

やはりここでめげずに次の「鏡の中は日曜日」にもトライしてみよう。。。



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2006年11月06日

邪馬台国はどこですか?/鯨統一郎

邪馬台国はどこですか?


内容。
カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。
三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。
初顔合わせとなったその日、
「ブッダは悟りなんか開いてない」という宮田の爆弾発言を契機に歴史談義が始まった…。
回を追うごとに話は熱を帯び、
バーテンダーの松永も教科書を読んで予備知識を蓄えつつ、彼らの論戦を心待ちにする。
ブッダの悟り、邪馬台国の比定地、聖徳太子の正体、光秀謀叛の動機、明治維新の黒幕、
イエスの復活―を俎上に載せ、歴史の常識にコペルニクス的転回を迫る、
大胆不敵かつ奇想天外なデビュー作品集。
(「BOOKデータベースより)


前後してしまいましたが、先の「九つの殺人メルヘン」の著者、鯨統一郎氏のデビュー作です。



著者が扉の裏側に
「この作品がフィクションであるという保証はどこにもありません」
と記載している。
しかしこれがノンフィクションだったら歴史的事実と言われている事項や論争が覆ってしまう。
それはそれでとてもおもしろいことではあるけれど。。。

無理が有る無しにかかわらず、目からウロコなことが多い。
まぁ、今となっては証拠も探せないようなものに関しては確認しようがないが、
邪馬台国の場所などは、許可が下りるならその地を掘り返してほしいくらい。
もし卑弥呼の墓や遺跡が出土したらとんでもない発見となる。


今は何でも言えて、それなりに個々の自由を尊重できる時代となったけど、
当時はヘタな発言や書物を記せばすぐ処刑される時代。
日本書紀も信長公記も、当時の強者側の意見でどのようにでも書き直させられたものだろう。
後世に伝えるべき「真実」よりも、
誰かにとって都合のよい物語が後世まで語り継がれて「史実」となってしまう。

今ある歴史的な書物が史実か捏造かはわからないけど、
そういった歴史に思いを馳せるのはとても楽しい。
いや、史実ではないからいろいろなパターンが導き出せて楽しいのかもしれない。



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2006年10月28日

九つの殺人メルヘン/鯨統一郎

九つの殺人メルヘン

内容。
彼女がグラスの日本酒を呷ると、確実なはずのアリバイが崩れ出す。
グリム童話の新解釈になぞらえて、解き明かされる事件の真相とは!?
渋谷区にある日本酒バー“森へ抜ける道”を舞台に、店の常連の工藤と山内、マスターの“厄年トリオ”と、
日本酒好きの女子大生・桜川東子が推理する、九つの難事件。興趣あふれる珠玉の本格推理傑作集。
(「BOOK」データベースより)

9種類のアリバイ・トリックを駆使した九つの短編集。
懐かしいテレビネタや歌謡曲ネタなど、別な意味でも楽しめます。
軽い感じでさっくり読めて、しかし最終的には驚きたい方にオススメです。


バーのマスターを含めた男性3人、女性1人の連作というと
どうしても「邪馬台国はどこですか?」を思い浮かべてしまう。
しかも刑事と犯罪心理学者と女子大生。
おもしろそうなメンバーの集結である。

お酒に関する薀蓄や、お料理の説明などもまた楽しい。
クレイジー・キャッツの話や宇宙戦艦ヤマトの話など、少し年代の高い話題もちりばめられている。
私の年代だと全てを知っているわけではないので
その懐かしさやおもしろさは半分だった。
残念・・・。


<以下かなりなネタバレを含みます>
ヘンゼルとグレーテル
QEDシリーズでもそうだけど、
童話にも弱者が悪で強者が良という流れがあったのだろうか。
日本でもあった姥捨てや子捨ては海外でも形を変えて語り継がれていたようだ。
いや、この解釈が本当だとして。


赤ずきんちゃん
そんな病気があるのか・・・というのが正直な感想。
まぁ、色盲なども始めはそんな印象を抱かれたことだろう。
暗喩的にはマスターの話していた処女性の解釈がもっともらしいが。


ブレーメンの音楽隊
確かに「ブレーメンの音楽隊」とは言いつつもブレーメンにたどり着いてない。
しかし夢オチとしてしまうのか・・・。
それはそれで納得はできるけど。
楽しい童話だった印象が、一気に寂しい童話に変わってしまった。


シンデレラ
この童話についてはいろんな解釈がなされている。
あまり童話に明るくない私でもいくつか読んだ事があったと思う。
そう言えば大学時代の選択授業で習ったような記憶も・・・
しかしこの短編ではそんなにつっこんで触れられていなかった。
結構グリム童話って実は性的な話が多いから、
王子様がたくさんの女性に靴を履かせていたくだりが
「性的に合うか合わないか試していた」というのは頷ける。


白雪姫
「自分より美しい」というだけで白雪姫を殺そうする後妻のお后。
それだけで?と思っていたが、
確かに夫を彼自身の血が繋がった娘に取られそうということならわからないでもない。
女の嫉妬は怖いから。。。


長靴をはいた猫
私はあまり知らない童話だが、元々はいわゆる損して得取れ、みたいな感じか。
しかし見ようによっては人を騙して王様まで上り詰める話なんだね。
ネコ=ズル賢い、狡猾、ということでしょうか。


いばら姫
まあ、糸巻き棒が男性器の象徴というのは有名だろうけど、
原文で男性器を表す言葉を使っているというのは知らなかった。
究極のエクスタシー=死ぬ=心中(誘導自殺)
うぅん、分からないでもないけど・・・


狼と七匹の子ヤギ
なるほどねー。
今の世の中も、内縁の夫が連れ子を虐待死させている事件はたくさんある。
子捨て、子殺し、姥捨て、親殺し。
時代は変わっても中身は変わっていないものですね。


小人の靴屋
私の家にも寝ている間に家事をしてくれる小人が来たら・・・
そんなつまらないことを真剣に考えたこともありました^^;
ええ、確かに怠け者の考えです。
にしても、被害妄想から来る逆恨みの末の泥棒という解釈ね・・・
この短編には「邪馬台国〜」の早乙女静香も少し出ている。
そしてこの連作を締めくくる意外な結末も。

<ネタバレここまで>

総じて軽く楽しめた。
自然な流れの薀蓄が伏線になっていようとは、と、少し驚いてしまったり。
まだ「タイムスリップ〜」シリーズなどの長編には手をつけていないが、
なんとなく短編向きな作家さんのように思う。

でも、短編集は1話ずつ語ってしまうので長くなってしまいますね^^;



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2006年10月27日

QED〜神器封殺〜/高田崇史

QED 神器封殺

QED第11作目。
しかも袋とじ付w

衝撃の結末は袋とじの中に・・・か(´・ω・`)

雑誌ならともかく、ノベルズのページを破るのはちょっと複雑な心境だったけど、
おもしろい装丁ではあると思う。


内容。
熊野の続編という感じ。
あのまま沙織&小松崎との合流を果たしたタタルと奈々。
私が難色を示してしまった箇所だ。
今回は「熊野の残照」での語り手、神山禮子も一緒。
沙織&小松崎は和歌山で起きた不可解な殺人事件を追ってやってきた。
被害者の作った記念病院設立には禮子の亡き父も絡んでいた。

タタルとキャラ被り過ぎな毒草師の御名形史紋も登場。
タタルと恋のライバルに?!
スサノヲ、天照大神、大国主命と三種の神器にまつわる謎。
鏡と蛇の意外な繋がり、そして神社を結ぶ点と線。


このシリーズ、殺人事件というよりも教科書にはないドンデンな歴史薀蓄が楽しい。
旅行や神社めぐりのガイドブックにもいいかも。
今回も

ほぉーーーーーー(・0・。)

と思うことしばしば。

なるほど、だから「鏡餅」って言うんだね。
ほぉ、勾玉にはそういう意味が。。。
言われてみれば確かにそんな形。
今みたいな機器が無い時代によくわかるものだ。
科学の進歩=今の知識という図式は必ずしも当てはまらないのかも。

シリーズの中で何度か目にした風水の話も目から鱗。
やれIT社会だ、やれ最先端技術だ、など言いつつも
こういう風水的な造詣を目の当たりにしてしまうと、
果たしていつの時代が進んでいるのか分からなくなる。
でも、草だの蜘蛛だの熊だの言っている時代だからこそ出来たのかもしれない。


お話はこんなものとして。
でも・・・と思う。

ちょっとレギュラー増えすぎじゃない?

タタルと奈々と小松崎は仕方ない。
途中から妹の沙織が増え、毒草師も増え、いまやファミリーは5人に。
それに小松崎の叔父さんも加えたら6人か。
まぁ毒草師はレギュラー決定かどうか不明だけど、何となくそんな感じがする・・・
そうなると幼馴染だという神山禮子もレギュラー化してしまうかな。

シリーズ物は好きだけど、
あんまりファミリーが増えてしまうと話が別の方向へ進んでしまいそうで怖い。
このシリーズはそうはならないと思いますが。。。


がっつりとミステリ、というよりも、歴史の謎ときが好きな方にオススメです。



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2006年10月25日

十角館の殺人/綾辻行人

十角館の殺人

この本は読んだことのある方も多いと思う。
何度目かの再読。
この本を読み続けて10年ほど。
年に2回くらいは読んでいる。


内容は・・・
角島のいわくある十角館で合宿している大学ミステリ研のメンバーが次々と殺害されていく。
本土では元ミステリ研メンバーのもとに妙な手紙が届いていた。
島と本土、別々の角度からひとつの結末へ・・・

「館」シリーズの第一作目。
このシリーズは必ず一作目から読んでいただきたい。
シリーズが進むにつれて出てくる驚きが半減してしまう恐れがある。

実は私も初めて読んだのは第一作目ではなかった。
読んだ作品がちょうどギリギリセーフの作品^^;
慌てて一作目から揃えた。


私がこの本と出会った頃、この手のトリックにまだ慣れていなかった。
だからあの1行を読んだ時の驚きたるや・・・

本を読んであんなに驚いたことも、寒気が走ったこともなかった。
今ではこの手のトリックは結構ありふれているし、
こればかりを使っている作家さんもいる。
しかし、今のように慣れていなかったからこそ
いまだに強烈な印象が持続しているのかもしれない。


長い年月をかけて続いている「館」シリーズ。
最新のものはミステリーランドの「びっくり館の殺人」らしいが、まだ未読。
これもシリーズのうちに入るらしいので、残すところあと2作くらいで完結か。

子供向けといえど、ミステリーランドには好きな作家さんがたくさん名を連ねているので
ぜひ読んでみようと思う。



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2006年10月24日

美濃牛/殊能将之

美濃牛

今回はノベルズ。
前回読んだハサミ男と比べると結構分厚い。

内容は・・・
なんともどこかで読んだことのある雰囲気。
いや、内容とかそういうのではなく、雰囲気が。
あっさりした横溝風味、という感じか。
横溝は好きな作家なのでこういう雰囲気、結構好感触。


そしてこの本から探偵役が誕生した。
これが石動戯作シリーズの第一作目。
いろいろと勘繰ったりもしたが、かなりおもしろく読めた。
あの人が本当はアイツだったことは本当に驚いた。
そういう結末だったらなるほどと思う。

でもまぁ、その「なるほど」な結末にはならなかったんだけど・・・^^;
それもアリでしょう。

こういう雰囲気が好きな人にはオススメ。
楽しめると思います。
でも個人的にはハサミ男の方が好きだったり。。。w


そして次作の「黒い仏」にもチャレンジ!
この本は相当な問題作らしいが、はてさて、どんな問題作なんでしょうか・・・?



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